INVISIBLE STORM

だからわたしはわたしを砕く

秘密の花園

本当に大事なものって何故か大切にできないし、箱の中に入れて誰にも見られないようにと匿って置いていたらいつの間にかその箱が何処かにしまわれて忘れてしまうこともある

小学生の頃に流行ったプロフィール帳に書いた宝物も大体の人にとっては今やガラクタだもん 「親」とか「友達」とか書いていた子達のSNS見てみたら愚痴ばかりで、きっと死んでしまえとか思ってるんじゃないの
クラスメイトを全員下の名前で呼んでいたあの頃は、人気者が新しいブランドの服を着てきたら一日中その話題で持ち切りだった
どこかで聞いた話を切り貼りしたような怖い話をノートに綴って秘密だよっていいながら友達と回しあってた
確かにあの時の自分にとってみればとても大事なものだったはずなのにどこにやってしまったのだろう、見つからないように引き出しの奥底に置いたような気がするし、もう捨ててしまった気もする
あんなにほしがって誕生日に買ってもらったものも、今じゃ何を貰ったのかなんて覚えてないなんていうのは流石に親不孝かな、と乾いた笑みを浮かべたり。
つまるところ、私が言いたいことっていうのは世の中の「秘密」なんて大抵はそんなものだということである、その時の固定概念で物凄く大切に扱うが、あとで見るとなんだこのごみくず、なんてことは稀じゃない
 
秘密を明かすことによって流れが変わるというのはよくある事だと思う。大抵は良い方向に、と秘密を美化させた少女漫画は名乗るが殆どの秘密というものには自分なりの理由があり、それを明かすことのリスクは必ず伴うものである。1番わかりやすいのは告白、である。他人に自分の気持ちを打ち明けることにより必ず何らかのアクションが起こる。むしろ、起こらなかった場合は脈なしでそれはそれで辛い結末を迎えてしまうのだけど……。
 
 
「わたし、本当はこんな物欲しくなかった」
絶交した友人の言葉だった。こんなもの、というのは私が彼女の誕生日にあげたプレゼントを指していたことに気づいたのは直ぐだった
彼女は最後の最後にわたしにそうやって秘密を明かし、『こんなもの』を押し付け返してきやがったのだった