INVISIBLE STORM

だからわたしはわたしを砕く

無題

ふと自分を無くしてみたくなって、SNSのアカウントを消してしまう夜を経験したことのある人は結構いると思う。私もそうだ。

全部消して、あるいは更新を停止して。ちょっと世界に耳打ちするのだ。「私が世界からいなくなっちゃったよ」と。

その信号に気づいて驚いてくれる人もいれば気づいてるのに無反応な人、気づかないけど最近見ないな、と思ってくれる人、を見る。最初のうちはいいのだ、みんながかなしむから。居なくなった仮想世界の自分の名前を呼んでくれたりするから。

でもしばらくすると、誰もその話をしなくなる。覚えていてくれてるのかもしれないけれど、わざわざ文字に起こして言う人は消える。目に見えるアクションはなくなり、またゆっくりといつもの画面がスクロールされていく。多分これ模擬自殺なんだと思う。